GPUのワットパフォーマンスを上げる方法
マイニングにおいて最も重要なことは、ハッシュレートを上げることではなく、ワットパフォーマンスを上げること。ccminer環境でワットパフォーマンスを簡単に改善する方法を紹介します。
初期費用を除けばマイニングに必要な費用は、ほぼ電気代なので、マイニングで収益を改善するには、電気料金を安くするか、消費電力あたりのハッシュレート高めるかの2択になります。
この消費電力(ワット)当たりのハッシュレート(パフォーマンス)のことをワットパフォーマンス(ワッパ)と呼びます。
今回はこのワットパフォーマンスを高める方法について見ていきたいと思います。
効率なんてどうでもいい、とにかく力が欲しいという方はこちらの記事も参考にしてみてください。
ワットパフォーマンスの良いGPUに買い換える
もっとも単純な解決法は、ワットパフォーマンスの良いGPUに買い換えることです。
結論から言うと、現在NVIDIA製のGPUで最もワットパフォーマンスが高いのは、GeForce GTX1080になります。次点でGTX1070といった感じ。
GTX1080Tiというハイパフォーマンスモデルもありますが、こちらは消費電力が、GTX180の180Wから250Wへと激増しているため、性能上昇の割に合わない消費電力になっています。
モデル名 | 消費電力 (24時間電気代) |
ハッシュレート | 1W当たりの ハッシュレート |
GTX1060 | 120W(77.76円) | 23.39MH/s | 1949KH/s |
GTX1070 | 150W(97.20円) | 35.88MH/s | 2392KH/s |
GTX1080 | 180W(116.64円) | 47.68MH/s | 2648KH/s |
GTX1080Ti | 250W(162.00円) | 58.05MH/s | 2322KH/s |
初期費用の回収見込み
初期費用を抑えるために、コスパのいいGPUを買う人がいますが、マイニング用のGPUは電気代まで含めたトータルのコストパフォーマンスを計算する必要があります。
モナコインを例にコストを計算していますが、下の表の通り、初期費用の回収だけ考えてもGTX1080を購入するのが、良いと思われます。
81MH/sで24時間に掘れたモナコインが0.4259645899999974
電気代は1KWh27円、1モナコイン1600円で計算
モデル名 | ドスパラ 中古価格 |
(24hで掘れるモナコイン) 円換算 – 電気代 = 24hの利益 |
回収にかかる日数 |
GTX1060 | 31,000円 | (0.1220)195.2円 – 77.76円 = 117.44円 | 約264日 |
GTX1070 | 45,000円 | (0.1886)301.76円 – 97.20円)204.56円 | 約220日 |
GTX1080 | 60,000円 | (0.2507)401.12円 – 116.64円)284.48円 | 約211日 |
GTX1080Ti | 78,000円 | (0.3052)488.32円 – 162.00円)326.32円 | 約241日 |
GPUを買うならGTX1080一択
上記の結果から、マイニング用にNVIDIA製GPUを買うのであれば、今はGTX1080以外を買う理由が見つからない、というのが現状です。
GPUのパワーリミットを下げる
パワーリミットとは、GPUが使用できる電力を制限することを言います。
GPUが使える電力を制限するので、絶対的な性能は下がってしまうのですが、それ以上に電力消費量が大きく下がるので、少しでも利益率を上げたいのであれば必須のチューニングといえるでしょう。
クロック数の調整にはMSIのAfterburnerというソフトを使っています。
こっちの記事に使い方も書いてあるので気になる方は参考にしてください。
GTX1080では、パワーリミットを100から80に下げると40Wほど、消費電力が下がります。
それに伴いダウンするハッシュレートは約3MH/sです。
つまり、消費電力180W、ハッシュレート49MH/sが140W、46MH/sになります。
計算すると、ワットパフォーマンスは20%も向上していることになります。
失うハッシュレートは、6.1%なので、かなり効率が良くなったことがわかると思います。
メモリクロックを下げる
グラフィックカードには、計算を行うGPUの他に、データを保存しておくメモリチップが乗っています。グラフィックカードのメモリは、本来高度な3D表示を行うために、テクスチャや頂点データなどを高速に読み書きできるように高性能なチップ搭載されています。
実はこのような高速なメモリはマイニングには必要ありません。
メモリにも動作クロックがあり、動作クロックが高いほどメモリの読み書きは早くなりますが、消費電力も上がります。つまり、メモリの動作クロックを下げれば、消費電力も下がります。
マイニングには、あまり必要な能力ではないので限界まで下げましょう。
動作クロックを500MHzぐらい下げれば、4~5Wの消費電力の低減につながります。
まとめ
- GPU買うならGTX1080一択。
- 効率を高めるならパワーリミットを下げる
簡単なのに、かなり効果の高いチューニングなので、ぜひ利用してみてください。
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